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微生物と私たち 食中毒菌について おうちで防ごう!食中毒 鮮度の見分け方 発酵食品を作ろう お問い合わせ
 
   
    第一部でお話した通り、微生物は様々なものを分解します。「分解」と言葉では言いますが、これはつまり微生物にとって生きるための食事なのです。 そしてもちろん、微生物にとって食事となるものに私たちの食べ物も含まれています。
 私たちの食べ物が微生物によって分解された状態(程度は物によります)を、私たちは場合によって『発酵』『腐敗』という2種類の言葉で表現しています。
 
 
 
   
 
     
    
  この二つの状態は、食品成分を微生物が分解した状態であることには変わりありません。
 ではどんな違いがあるかというと、科学的には

  ・・・糖類が分解されて、乳酸,アルコールなどが生成されること。
  ・・・タンパク質,アミノ酸などが分解されて、硫化水素やアンモニアなどの不快臭を生じること。

 となります。しかし、糖の分解された状態でも腐敗と呼ばれることもあり、必ずしも原料や、代謝産物の違いによって区別されているものではありません。
 つまり、最も明確な分け方は、

  ・・・人の役に立つ食べ物を生み出すこと。
  ・・・人が食べられない食べ物となるように食品が分解されること。

 となります。すなわちこの二つの言葉は、私たち人間の価値基準によって使い分けられているにすぎないのです。
 
     
 食品の腐敗が微生物によることを明快に証明した人物は、ルイ・パスツール(Louis Pasteur)で、わずか150年ほど前の1860年代のことです。
 しかし、それ以前から私たちは発酵食品を作り、また食品を腐敗させない工夫を行ってきました。
発酵食品の例としては、
  • しょうゆ
  • 味噌
  • チーズ
  • ヨーグルト
  • パン
  • ぬか漬け
  • キムチ
などがあります。日本の伝統的な食品が多いことが分かります。
 また、食品を腐敗から守る方法としては、
  • 乾燥:干しいも,身欠きにしんなど
  • ビン・缶詰めにしてから加熱
  • アルコール・酢漬け
  • 高濃度の塩や砂糖を用いる:塩漬け,砂糖煮
などがあります。
 
     
 一般に腐敗したものを食べても、食中毒にならないことが多いです。しかし、食品衛生上問題となる特定の病原微生物が、食品中で増殖または毒素を生産した場合、その食品を人が食べることで食中毒が起こります。そして見かけだけでは、食品中に増殖した微生物に病原性があるかないか、判断できません。
 よって、腐敗した食品は食べてはいけないのです。
 病原微生物の中には、とても少ない菌数で食中毒を引き起こす強力な食中毒菌もいることが分かっています。食品においては、発酵食品でない限り、微生物を付けないように、また増やさないように細心の注意を払う必要があります。
 自然界のいたるところにいる微生物。その正しい知識を身に付けて、バランス良く上手につき合ってゆくことが、私たちの生活の上でとても大切なことなのです。